init

何回目かのinitの話

ブログのお引越し. Github Pages でホストされているけれど, 技術っぽいこともそうでないことも全部ひっくるめて書くと思う.

働き始めて3年目になって, 自分があと何十年ものあいだ少なくない時間を働くことに費やすのだということの現実感のなさ, そして全貌が見えないからこそのその途方もない長さのことを改めて感じるようになった. 働くことを自分の生の中でどのように位置づければよいか, はいまでも随分迷っていて, でも最近は, せめてそうして過ごす時間が自分が善と思うものに資するもので, かつ自分にとって幸福なものだとよいな, というようなことを思っている.

学部時代に第三の社会運動の文脈でソーシャリー・エンゲイジド・アートに関心をもったのも, 大学院で荒川+ギンズについて研究したのも, その理由の一つには, 彼らの営みが世界や社会に働きかけ, 世界や社会を変えようとしたものだったということがある. この世界はまったくもって完璧な場所ではない. ぼくたちは薄氷の上を歩くようにしてぼくたち自身の脆弱な生を生きている. そこには不安があり, 怒りがある. 悲しみがあり, 絶望がある. しかしその一方でぼくたちは, 幸福な瞬間というものが確かにあり, よろこびがぼくたちの元を訪れることがあること, その素晴らしさのことを知ってもいる. だからぼくは, この世界でより多くの人がより多くのよろこびと出会うことができるようにするために働きたいと感じている. 大上段に振りかぶった言い方をすれば, 世界をもっと幸福な場所にするために働きたい, ということになる. それが「自分が善と思うものに資する」ということだと今のところ考えている.

そういう意味では, 今やっているエンジニアという仕事も学生時代から関心を持って勉強していることがらとは無関係のように見えて実際には根っこのところでつながっているのだ, と思う. 何かを作って, 世界を(ちょっぴりでも)変えていきたい.

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